2018年1月30日 更新

刑務所が介護施設に!?|受刑者の高齢化で刑務官がヘルパーになる日本の現実

少子高齢化が社会問題となっている昨今。労働人口の減少とそこから繋がる国力の低下が一番の問題とされているが、実は隠れたところにも、高齢化の悪影響が出始めているのです。

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刑務官がヘルパーに?見過ごせない受刑者の高齢化

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受刑者の年齢別の内訳です。30年前は20代と30代だけで全体の半分を超えていました。一方、65歳以上は1%あまり。つまりほとんどいませんでした。
それが今では若い世代の割合が減少しています。反対に高齢者は大幅に増えています。社会全体の高齢化のせいだと思われるかもしれません。しかし、65歳以上の受刑者の割合は30年前の10倍です。さらに受刑者の全体数が減っているのに、65歳以上だけは数も8倍近く増えています。高齢化よりもはるかに急カーブです。
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高齢化社会というのは何も外の世界だけの話ではなかった。

私たちが普段目にする機会のない、塀の中にまで、高齢化の波は確実に押し寄せていたのである。

年をとってまで犯罪に手を染めなければならない……どこか社会のひずみを感じずにはいられない現状だ。

高齢者の受刑者が増えることで生まれた、新たな課題

現場では刑の執行に加えて、入所者の介護という新たな業務が持ち上がっている。
前田敏宏刑務官(35)は「高齢者はいつ体調が変わるか分からない。常に緊張感を持っている」と話す。顔色は大丈夫か。食事を残していなかったか。「ヘルパー」としての気遣いが欠かせない。受刑者の紙おむつを片付けるのも、刑務官の仕事の一つになっている。
高齢になれば、当然ながら身体の機能は低下する。

それどころか認知症を発症し、一人で寝起きすることすらできない受刑者が増えているのが現状だ。

そうなると刑務官の仕事はもはやヘルパーとなり、通常の業務にプラスして、ヘルパー業務までも担当しなければならないことになる。
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単独室にある男性受刑者の布団には防水カバーが掛けられていた。便器への移動が間に合わないこともあるためという。
同刑務所の刑務官は、「週末などは室内にこもりがちになるせいか、服役中に認知症の症状が悪化する受刑者も多い」と話す。
なんと悲惨な状態だろう。

本来、罪を償わなければならない人物が、もはや罪の意識を感じることすらもできず、言ってしまえば「生かされている」という現状。

そしてまた、刑務官も本来の仕事を忘れ、受刑者を「生かす」ために働かざるを得ない状態。

どう考えてもまともではない。

高齢の犯罪者は再犯率が高く、結果、刑務所で老いていくケースが多い

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山岡ソースケ 山岡ソースケ